硝子の殺人者/今野敏 ★★★☆

硝子の殺人者―東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫)

硝子の殺人者―東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫)

古本屋さんで購入。やっぱ初期のころの安積班は、安積と村雨や桜井・大橋との距離が遠くて萌える。むしろその方が萌える。今回もハンチョウはデリケートでナイーブで、警察機構のなかでも正義を通そうとしていてかっこよかったっす!相楽んとちょっと仲良しになってるのもくすぐったい。あと、防犯部の同期との友情も出てくるしね!そのぶん速水は薄めです。聞き込みの描写が多い作品で、安積と須田が関係者に当たるなかから真相を探り当ててくような話になってます。事件も、途中でひっくり返しもあるし、最後にちゃんと予想外の事実が隠されていて、唸る。面白かった。あ、だけど女性を描くのが苦手だろう今野さん、今回はいよいよホンボシ本体を対話に登場させなかったのがすごいw

「さて、カモフラージュに利用されようとしたのだとわかっても、まだ、協力はしてもらえるのかな」
「おまえが、頼むと言えばな……」
「頼む」
 鳥飼は、片方の眉を吊り上げて見せた。意外だな、といった表情だ。
「昔はもっと自尊心の強い男だと思っていたがな……」
「人間は利口になるものだ。自分ひとりでないことがわかりはじめる」
(中略)
「……どこからの情報だ?」
「うちの捜査員が彼女に会った。そのときの印象だ。確証はない」
「それで、おまえは、その捜査員の意見を信頼しているというわけだ?」
「検討に値すると思っている」

部下を信用するあづみんかっこいい!


●安積班シリーズ一覧メモに追加。これで読んでないのはあと3冊かー。