クライマーズ・ハイ @試写会@よみうりホール


 
http://climbershigh.gyao.jp/


堤さんの舞台挨拶付試写会に行かせて頂きました。こっからはsantama様に向けてだけのレポです(笑)。

ゲストってほんとに堤真一オンリーなのね!おかげでひじょーにかわいいとこが見れましたけど。「特別に駆けつけてくださいましたー!」と紹介されて舞台袖から颯爽と登場した堤さんは、上下グレイのスーツ、渋い薄青のシャツ、濃いグレイのネクタイ。リーマンぽい格好で、質問に答えるときは片足を曲げてなぜかちょっとモデル立ち。かっこいいよ…大人だよ…。
堤さんの「本日はご来場ありがとうございます」的な第一声で、会場大拍手。したらにこっと笑って、「ここで普段ならおちょけて、ふざけたことを言ったりするんですが」、あとは非常に落ち着いて、「命かけて撮ったと言ってもいいくらいです」「さっき2時間半という上映時間を聞いてみなさん、ざわついてましたが…大丈夫です、あっというまです。時間の都合でどうしても途中で抜けなくちゃ、って人は…別の試写で見てもらったほうが。じっくりと」と真面目に自信を持って語っておられました。
続いて女性のWOWWOWアナウンサーが読み上げる質問タイム。
Q「大変だったシーンは?」
堤「編集局のシーン、ですね。前橋のビルを借りきって、丸々1ヶ月撮影したんですが、その間ぼくは一度も東京に戻れず(笑)。しかもね、その借りてるビルが僕の泊まってるホテルの目の前で。少しも逃げられない。ちょっと今日は(自分が)撮影休み、ってときでもホテルで窓を開けるとそこで撮影していると(笑)。そんな感じで、この役のためだけに過ごした、という。大変でしたね」

Q「堤さんは、このようなスクープの現場に立ち会ったとき、決断できますか?」
堤「あー、ぼく、意外とゆるいですからね(笑)ぬるーっと逃げてるかも」と一人で体をくねらせるつつみん。うひょー。

Q「ロッククライミングはどうでした?」
堤「辛いというより怖かったです。〜あのひとたち(山登るひとたち)はバケモノですよ!」

Q「原田監督はどうでしたか?」
堤「二度目なので(魍魎のはこの監督ですね)、撮影方法もやりやすいです。今までで一番やりやすいかも…あっ、こんなこと言ったら過去の監督が!(と横を向いてアチャーみたいな顔。一人ツッコミw)」
Q「(笑)監督さん、いらっしゃいませんよねえ?(と会場に)大丈夫です大丈夫です、思いっきり言っちゃいましょう」

一通り質問が終わったあと、アナウンサーさんが無邪気に「すごく重厚な映画なので、みなさんごらんになって、ぐったりして帰っていただければな、と」とか言ってしまって、堤さんが「ちょ、そんなこと言ったら!ぐったりする映画とか誰も観たくなくなるじゃないですか(笑)」とツッコむ。会場と一緒に笑って、アナウンサーさんも「あはは、すいません、ナイスフォローありがとうございます堤さん!」とか言ってた。怒られるんじゃないの?w


で、最後にプレス用の写真を撮らせて頂きまーすとかって、アナウンサーさんがとっとと舞台から捌けちゃった。カメラマンが一人だけ舞台下中央に出てきた!広いステージ上で下からカメラを構えられ、「え、おれ一人?ここで?」みたいにまわりを見回すつつみんw バックも緞帳があるだけで、映画タイトルのポップも看板も何もなし。じ、地味だー!とじゃにいず舞台挨拶に慣れてる私はびっくり。つつみんはとりあえず照れ笑いで写真ぱしゃぱしゃ撮られてたよ。「手ぇ振ってくださーい」とか言われて、あまりの状況にぶふぉっと噴出しながら可愛く右手を振る堤氏。沸いて手を振り返す会場。シュ、シュールだ…笑。
一人撮影プレイが終わり、堤氏はまた颯爽と、見送る私たちに頭を下げつつ去っていかれました。堂々としててかっこよかったっす。もっとはっちゃけてくれててもよかったですけどねv
あ、試写感想アンケートの紙が、北関(北関東新聞社)風だったよ。


行かせてくれてありがとでした!>santama姐




では映画の感想です。原作はだいぶん前に既読(http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20040629#p1)。


  • よみうりホール、音悪いですよね…特に高音がキンキンくるかんじ。そのせいかどうかわかんないけど河原での安西(高嶋政宏)のセリフが聞き取れない。そんなこんなで前半はかなり混沌としてて、飲み込みにくかった。まあ、あれだけの登場人物、しかもオッサンばっかりのオッサン祭り、新聞社内の力関係人間関係・主人公の過去・社長との対立、を映像で見せようというのは至難の技。せめて役職と人物紹介くらいは字幕でつけてもいいんじゃないかとも思ったけど、妙に説明くさくなるもの映画を殺してしまうしなあ。難しいです。観る前に人物関係図くらいは見ておいた方がより楽しめるかも。んでも、そんな人間関係がだいぶわかってきた後半はスピードが出てがぜん面白かった!販売部が怒鳴りこんでくるとこなんかワクワクしたもんね。あれは映像ならでは。後半にいくほど笑いどころが増えてたってのもすごい、マギー大活躍wあと同期(?)3人の連係プレーもよかったっす。
  • 堤さんはねえ、孤高の遊軍記者ハマってた。むさい編集局の中で一人だけすらっとかっこいいの。で、社長に超かわいがられてるw可愛さ余って憎さ百倍、でいびられてるし。新聞紙面のことで社長に土下座して直談判するシーンがあるんですが、情熱・苛立ち・情けなさやるせなさ、色々詰まったどうしようもない軋轢を表現していて悠木の姿に泣きそうになったよ。くっそー悠さんをいじめるなあ!そういう惨めで弱い男を演らせてもハマるってのがすごい。翻弄される悠木さんに手に汗握る。
  • 仕事上では、最後の最後、スクープをもう一度モノにできるかいなか?!って盛り上げで、そこをクライマーズハイが解けたときとダブらせる。ああいう結末になるってのが横山先生の作品の渋くていいとこなんだけど、映画でそれをやるとやっぱりどっと疲れるね。まさにアナウンサーさんが上映前に言ってた「ぐったり」(笑)。異常な状況の中でも、自分の信念を思い出し、「チェック、ダブルチェックだ、」と冷静さを取り戻した悠木。とたんに臆病になって。だからこそそんな自分を乗り越えて悠木が山に登ったり息子と和解するのが活きるんだろうけど…おっさんってつらいなあと思ってしまった。男の嫉妬とか虚栄心とか見栄とかってこわい。だけどそんな中でもたまに協力したり、譲れない矜持を持っていたり、そういうのにはぐっとくる。また原作読みたくなった。みずほさんお勧めの「墜落遺体」は図書館に予約してみました。
  • あ!もうひとりかっこいい人いたわー。等々力役の遠藤憲一さん。この方の顔好きだー。悠木と等々力がケンカするところではぐおーっと燃えてしまった!だからこそこの二人で勝ってほしかった。だけどそうもいかないのが現実かー。

群馬県、北関東新聞社。一瞬で520もの命を奪った、史上最大にして最悪の航空機事故の全権デスクに任命されたのは、組織から一線を画した遊軍記者・悠木和雅だった。
「<新聞>は命の重さを問えるのか―?」
大きな命題を前に立ち尽くす悠木は更なる壁にぶち当たる。混乱する現場で、妬みや苛立ちに激昂する社内、加熱する全国紙対地元紙の報道合戦、壊れてゆく家族や友人との絆……。異常な熱気に包まれる中、必死にもがき信念を貫き通そうとする悠木は、あるスクープをめぐって極限の決断を迫られる。未曾有の大事故を横糸に浮き彫りとなる生々しい人間関係。報道人としての使命感に自らを奮い立たせる悠木と、各々の正義を貫こうとする者の姿は「新聞社」という枠を超えて全ての働く人たち、或いは働いてきた人たちに問いかける―仕事とは?家庭とは?
そして、生きる意味とは?