クビツリハイスクール─戯言遣いの弟子/西尾維新 ★★★☆
「紫木一姫(ゆかりきいちひめ)って生徒を学園から救い出すのが、今回のあたしのお仕事」
「救い出すって……まるで学園がその娘を拘禁してるみたいな言い方ですね」
人類最強の請負人、哀川潤から舞い込んだ奇妙な依頼に従って私立澄百合(すみゆり)学園、またの名を《首吊高校(クビツリハイスクール)》に潜入した「ぼく」こと“戯言遣い・いーちゃん”は恐るべき殺戮の嵐に巻き込まれる――。
戯言シリーズ3作目。前回クビシメ(http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20080529#1212069222)を読んだときほどのインパクトはないものの、やっぱ普通に面白い。言葉遊びとか理屈並べ立てとか戯言遣いのの迷いっぷり・虚無っぷりも大きいけど、妙にリズムがよくてサクサク読めちゃうんだよなー。いーたんの名前のヒントが出てたり。終盤の人類最強の請負人・哀川潤のタンカはかっこいかった。
「……一人は寂しいかい?」
「寂しいです」即答だった。「寂しいけれど――でも、一人で生きます。裏切って、騙して、言い訳して。一人で生きるです」