ネコソギラジカル(上)─十三階段/西尾維新 ★★★

いっこ前のヒトクイマジカルが未読。なのでちょっと話がわかりにくかった…しまった…。いやでも、どっちみちわかんないことだらけだろうからいいか。狐面の男に「俺の敵」と狙われたいーたんが、骨董アパートの住人たちを巻き込みつつ敵陣に乗り込み、因縁ある昔馴染みと再会するまで。世界の終り・物語の終り、と大仰に煽るだけ煽ってくるのは相変わらずの大上段。みいこさんと崩子ちゃん・萌太くんがやっと絡んできたのでおおーっと思いました。崩子ちゃんの契約の暗誦が長いけどリズムがいい。まあ、ろりこん的な意味で色々とまずいです…。

 見えなくなる。
 薄れていく。
 意識が……
「貴兄が乾きしときには我が血を与え、貴兄が飢えしときには我が肉を与え、貴兄の罪は我が贖い、貴兄の咎は我が償い、貴兄の業は我が背負い、(中略)貴兄のために名を捨て、貴兄のために誇りを捨て、貴兄のために理念を捨て、貴兄を愛し、貴兄を敬い、貴兄以外の何も感じず、貴兄以外の何にも捕らわれず貴兄以外の何も望まず、貴兄以外の何も欲さず、貴兄の許しなくしては眠ることもなく貴兄の許しなくしては呼吸することもない、ただ一言、貴兄からの言葉にのみ理由を求める、そんな惨めで情けない、貴兄にとってまるで取るに足りない一介の下賎な奴隷になることを──ここに誓います」
「……崩子……」
 他人事のように響く、崩子ちゃんの声。
 聞こえているようで、聞こえない。
 何を言っているんだ。
 ぼくにはまだやらなくちゃいけないことがある。

そうそう、西尾作品初アニメ化の「化物語」、見たけど面白そうでしたよ、シャフト演出と西尾的世界観が合ってた気がします。…って、原作未読でした。