足りない時間/日高ショーコ

http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20090630#1246355411で読んだ成績トップ1と2の高校生同士・渋谷×三上の話から始まる、初期の短編集。絵自体今より若干線が太いので、若々しい感じがする。「感情サイン」:三上をわざと泣かせて、隠れたところを突きにくる渋谷のドSっぷり。これは見事なエスとエムです。いつか酷い別れをしそうなとこも含めて良い&痛い恋愛、青春ですねー。
渋谷と多少関わりがあった谷川先生の、高校時代の同級生・洋介との話が王道だけど面白かったな、日高さんこういうの好きですよね。昔の思いが残ってて再燃…みたいの。ある意味純だなあ。先生のだらしなくて優柔不断、何にも引き摺らないああいう性格づけってのが、これは受も惚れちゃうよ、って説得力があってうわーお、となりました。片付け苦手の散らかし放題×掃除上手の世話焼き、っつーのは「徒然」もそうだったけどいいもんです。最後、「一緒に住む?俺洋介と一緒にいたい」とか言われたときの受の心中を察して余りあります。

「何ですぐに散らかすんだよお前!」「たまに来て一日そうじする俺のことも考えろよ!」
「嫌なの?」
「当たり前だろ!!」
「なんだ そうじ好きなのかと思ってた」
「そんなわけあるか!!」
「俺は洋介に片付けてもらうの好きなんだけど」
「……そう言えば何でも許されると思って……」
「本当にそう思ってんだよ」「バーカ」
「洋介」
「なに」
「一緒に住む?」
「俺洋介と一緒にいたい」

おいようすけ。何か照れた嬉しそうな顔してるけど、あんた毎日そうじすることになっちゃうよ?