ホルモー六景/万城目学 ★★★☆

鴨川ホルモー」(http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20070215#1171545653)の続編。ホルモーに直接間接に関係する様々な人たちのお話が六篇書かれてます。時系列は色々。

  • 「鴨川(小)ホルモー」:京産大玄武組の二人静、彰子と定子。女の友情〜。
  • 「ローマ風の休日」:凡ちゃんのバイト先での話。凡頭&眼鏡をやめるきっかけ。
  • 「もっちゃん」:もっちゃんがまさかあの人だとは。友人の安倍が、鴨川ホルモーの主人公の先祖ってこと?(ではないらしい?)
  • 同志社大学黄竜陣」:芦屋の別れた元カノが主人公。同志社大学内で、古びたホルモーの衣装とともに創業者とクラーク博士の手紙を見つける。「復活ニ関スル三条件」の三番目「同日夜、彼ノモノヲ鴨川ニ柱トシテ捧グベシ」が一章目の「鴨川(小)ホルモー」のラストに繋がっててオオ!となった。彼ノモノ=鬼だと思うんだけど、とすると条件は揃ったわけで、「鴨川ホルモー」での四すくみ(京都大学青竜会京都産業大学玄武組、龍谷大学フェニックス立命館大学白虎隊)にもう一つ、同志社大学黄竜陣が加わるってこと? →鴨川ホルモー - Wikipedia に「黄龍陣の復活は、本書第三景「もっちゃん」のラストシーンにおいて示唆されている」って書いてある…えええ!気づかなかった。
  • 「丸の内サミット」:これ面白かった!ホルモーは京都だけじゃなかった、という東京を舞台にしたお話。京産大玄武組、龍谷大朱雀団、青竜お茶の水、白虎一橋。
  • 「長持の恋」:これも好き。ラストを飾るにふさわしいせつなさと爽やかさ。競技で敗北して「ホルモォォォォォ!」と叫ぶハメになり、ホルモーの呪いにかけられた立命館大学白虎隊の珠実ちゃんと京大青竜会のチョンマゲ高村の話。「狐のは」っていう旅館は「鹿男あをによし」に出てくるらしい。

短編が相互に微妙に関連し合ってて、鴨川ホルモーの番外編、裏話として楽しめました。

このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。祗園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。四神見える王城の地に、今宵も干戈の響きあり。挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋謳い、魑魅魍魎は天翔る。京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。変幻自在の第二幕、その名も堂々「ホルモー六景」、ここに推参。