アット・ホーム・アット・ザ・ズー @シアタートラム

劇作・脚本:エドワード・オルビー、演出:千葉哲也、翻訳:徐賀世子
出演:堤真一 / 小泉今日子 / 大森南朋

これから観る人もいると思うので畳んどくね。以下ネタバレ感想。


  • 第1幕:ホームライフ
    • 出演は堤さんとキョンキョンの二人芝居。アット・ホーム部分。簡単に言うと、草食夫ピーターと肉食になりたい妻の夫婦心理劇。ってことでいいのかな? ぺにすとか割礼とか言いまくってましたけど。もっと若めの劇団とかではよくこういうノリ見るんだけど、堤さん年代の人らが演ってるとお馬鹿題材にも妙な迫力が(笑)。
    • 既婚者としては共感する部分がちらーっとあったりして嫌だ(笑)。でもこの共感さえも、同じような境遇にない人には伝わりづらいと思う。うまい台本とはいえない。奥さんの言い分に付き合って、一緒に馬鹿騒ぎしてあげてる終盤では、なんだけっこう仲良しじゃん、とか思って一瞬なごんだ。
  • 幕の切り替えんとこは好き。リビングで一人立ち竦む夫の情けなく伸びた大きな影。やがてその影さえも小さく縮んでいく。ピーターの悲哀? 上から2幕の舞台セットが箱の蓋みたいに落ちてきて、堤さんがマンホールから公園舞台に出てくるの。ちょっと面白い。
  • 第2幕:動物園物語
    • 堤さんと大森さんの二人芝居。アット・ザ・ズー部分。1幕の草食夫(上流)が妻との話し合いのあとに出かけてくる馴染みの公園で、変わり者でお喋りな若者ジェリー(下流)と出会う。1幕で動物なんだからたまには弾けてよ!となじられた夫が、公園で若者の話を聞いて、「俺のベンチだ!」という主張とナイフによって動物を証明する(あるいは結局証明できない)…という話だと思うんだけど、若者の話からの繋がり、ピーターの心の動きがよくわかんなかったなー。
    • ベンチで二人がきゅうきゅうに詰めて座ってるところ可愛かった。あの、一瞬ともだちになれたかも?ってシーンが。あと、「ジェリーといぬ」の話はなんだかわからんがわりと好き。大森さんがうまいのだろうか。
  • 妻と見知らぬ若者、だけどそれぞれと距離が近くなった頻度は同じくらいだった気がする。家族じゃない他人と間近に近づけるのは、何かを取り合うときと、傷つける(刺す)ときだけ。そう考えるとかなしい。だから若者はお礼を言ったのかも。
  • 鋭く切り込んでくる台詞がないぶん、動きか、距離か、キャラかでフックをつけてくれたらよかったんだけど…。大人の芝居だなって思いました。