十三人の刺客 ★★★★☆


将軍の腹違いの弟という立場に甘んじ、悪行の限りを尽くす明石藩主・松平斉韶(なりつぐ)。幕府の老中は、この暴君が国の要職に就く前にひそかに闇に葬るよう、御目付役・島田新左衛門に密命を下す。斉韶の凶行の数々を知った新左衛門は、命がけで大義を果たすことを決意。信頼が置けて腕の立つ刺客を集め、斉韶が参勤交代で江戸から明石へ帰国する道中を狙うことに。わずかな手勢で300人を超える軍勢を迎え討つため、新左衛門たちは落合宿を買収。大掛かりな罠を仕掛け、斉韶ら明石藩の一行を待ち受けるが…!?

面白かった!仲間を集め、死を覚悟しての暗殺計画。けっこう映像的にぎょぎょっとする境地まで表現してるとこもあって、それでこそだよね!熱い!


  • 吾郎さん、残忍で自覚的に狂った暴君役、超はまってた(もちろん褒めてるよ!)。ごはんをぐちゃぐちゃにかき混ぜて食べるところで意外とヒーエーとなった。何があってああなってしまったんだろう…と想像したくなるような悪役。彼は侍・武士を憎みまくってるんだよな…。とにかく周りも自分も破滅させたくて、なのに最後で死ぬのがこわくなるって、無様な死に方がよかったです。
  • 雨のなか馬に乗って走ってるだけでなんであんなにかっこいいんだろうなあ。映像的に気になったのは一か所だけで、山を越えて落合村に入るときに唐突に馬に乗ってて、かつその馬を降りるシーンがなかったところ。あれ、なんか尺か撮影の都合でうまく繋げられなかったとかだろうか。
  • 落合村での戦いは、これでもかってくらい斬り合いを見れてもうまんぷくです。弓とか爆発とかでなかなか殺せないもんなんだねー。まああれで死なれちゃ映画にならんが。みんな、血と泥でぐちゃぐちゃになって、決定的な一太刀とか対決とかで死ぬよりも、もう疲労困憊で動けなくなって命尽きる、みたいのが多かったのが真に迫っててよかった。実際あの人数差じゃそうだろうと思うよ…なんか200人以上敵がいたような気がするよ?たぶん敵も、一回吹っ飛ばしたり斬ったくらいじゃ死なないってことなんだろうけど。
  • 伊勢谷くんの山猿はもちろんいいアクセントなんだけど、私はやっぱり高岡蒼甫が好き。セクシー!死して転がってる姿さえかわいい。伊原さんとこの師弟の死の場面の演出もよかった。おっさんたちも熱いし、最後の因縁の二人の対決は見ごたえあったよね。新左が最後、斉韶に自ら刺されにいったのだって「先に逝って待っててくれ」のくだりがあるからすごく納得できるし。首…蹴らないで…><
  • 最後に甥っ子の山田くんだけを残して、「武士の生き様・散り様は美しい」みたいな感じにしなかった(むしろ逆)のがいいよね。
  • 確実に伊勢谷×山田ですた。岸部一徳をイケるんだから、山田くんなんて余裕に違いない。

監督:三池崇史
出演:役所広司山田孝之伊勢谷友介沢村一樹古田新太高岡蒼甫、六角精児、波岡一喜近藤公園石垣佑磨窪田正孝伊原剛志松方弘樹松本幸四郎稲垣吾郎市村正親

宇多丸さんのポッドキャストきてた。同意同意!→ http://www.tbsradio.jp/utamaru/2010/10/post_745.html