漫画・アニメの性的規制都条例(青少年育成条例)の改正案が提出されました

前回3月のときの記事


今回の改正案について。

「18歳未満に見える非実在青少年」→「刑罰法規に触れる(18歳未満に見えるキャラ)」に単語の表現が変わり、すべての年齢において、漫画のキャラクターが現実世界の刑罰法規に触れる行動と、近親相姦に関係するものを規制する、ということのようです。

非実在青少年、といういかにもうさんくさい単語を削除、漫画表現が児童ポルノに与える影響が実証できないためその部分も影をひそめ、代わりに「未成年に対するエロ表現規制」→「現実世界の法律に触れる行為表現を規制」に。規制する範囲広がってます。

大阪でBL雑誌が有害指定を受けた時に起きたこと

さらに東京の場合、大手コンビニは軒並みアウト、それにAmazonも加わる形に。
大きな販売路を封じられてまで出版側が頑張る意味、正直ありませんよね・・・

twitterでの話いろいろ

    • 今回規制される範囲が広がったことで、いわゆるエロ(18禁)とは関係の無い一般売りの雑誌・単行本がある日突然販売停止に追い込まれる
    • わかりやすい前例として、iPHONE/iPadにおけるiBOOKSの審査を思い出してください。たとえば講談社が申請した作品は3割リジェクトされました。この場合、理由は知らされず、基準は画一的に文脈関係なく行われた結果です。「Appleがダメと言ったからダメ」これが法律と言う形で行われたらどうなるのか。この法律の適用には民主的な手続きは必要ありません。その時の担当者が「ダメと言ったらダメ」なのです。その瞬間取次はその本を扱わなくなります。amazon、コンビニも同様です。ココが18禁指定を受ける場合と違うところです。売り場が変わるのではなく、売り場から消え去るのです。そしてその説明は一切行われません。
    • この条例は「グレーゾーンの本を18禁にぶち込む」法律ではないのです。「グレーゾーンでも担当者の判断で社会(流通)的に抹消出来る」法律です。この法律を支持する人間の背景には「たとえ18禁だろうが存在すらおぞましい」という信念があります。
    • この法律によって肝心の「児童」が一切具体的に救われない事をアピールすべきでしょう。そう、この条例は実際に被害を受けている実在の子供を助けるための要素が一つも入っていないのです。あるのは科学的・社会的根拠の無い「エロい物をこの世から消し去れば犯罪は無くなる」という思い込みのみ。
    • 表現において「何が悪くて何がよいか」の判断は個人個人が持っている大切な権利です。この条例が施行された瞬間、われわれはその権利をとりあげられる可能性を背負わされるのです。「読みたい物を読む」という当たり前のことがいつとりあげられるか分からない世界…しかも適用するのはごく少数の人間の「感情」です。
    • 東京都は、業界団体と意見交換をしていて、その中で業界団体は新たな自主規制を検討すると発言しています。今回の条文は、その自主規制をまたずして、東京都が推し進めたものです

反対するだけでなく、自分たちの表現の仕方も考えるべきではないか?というお話。

    • 最大限漫画側に感情移入して言えば、漫画は規制側に「介入の口実を与えてしまった」と言えると思う。AVなどは自己規制をして、どこまでが許されるかのグレーゾーンを慎重に測ってきた。漫画は、個人出版の同人誌という立場に甘え過ぎた。
    • とは言えゲーム、エロゲ、AV、TV、映画などの規制団体は警察の天下りを受け入れる絶好の窓口になっていて、不透明な審査基準・予算面の黒い噂も聞きます。となればうがった見方もしたくなります。
    • その中で警察が関わっているのはAVと映倫だけでしょう。他は総務省経産省かな?警察の支配が嫌なら経産省辺りの天下りを受け入れればいいのでは?



参考までに。私が意見を送った先は、