K2登頂 幸運と友情の山/広島三朗 ★★★

K2登山そのものより、そこにこぎつけるまでの道筋が詳しく書かれている。計画の発端、資金集め、スポンサーをどうするか、退職して登山するかの悩み、物資の運搬や高所ポーターの運用、キャンプの設営(ベースキャンプ、それからちょっとずつ登ってC1〜C6まで)、40人ほどの登山者の荷上げ割振り、などなど。一大イベントの仕組みとしてわかりやすかった。ちゃんとした組織で登るのって、ほんと大変なんだー。費用1億円とか!
K2に初めて登ったのは1909年のイタリア隊で、登頂者は2人。この本で書かれてるのは、イタリア隊と同じ東南稜ルート(アブルッチ稜ルート)で登った日本隊で、登頂者は7人。煩雑な手続きに尽力したのに、登頂メンバーに選ばれないんじゃないか、とグギギするところがリアルだった…。