東京都青少年育成条例関連メモ

自分が読んだ意見や記事などをまとめ。


<反省と今後の案>



<反対声明>

漫画とアニメだけを狙いうちにしたようなこの条例。確かにそれはメインカルチャーではありません。しかし、別のカルチャーにも最終的には適用される事にもなりかねないのですよ。
賛成された方々は、自分で自分の首を絞める事態になって行く事にお気づきではないのでしょうか?何がどう、自分に跳ね返って来るのか?
もう一度、良く考えてみてください。
表現の自由は、人間の生きるために必要不可欠なものです。せっかく人類が努力に努力を積み重ねて勝ち取った権利なのに、それを規制する行為は許されない事だと思います。
(中略)
権力が言論統制する場合、最初に道徳的偽装がとられ一般人が反対しにくいエロティシズムや風俗の規制をする所から始める
by三島由紀夫


<記事>

石原知事は、規制対象となる性的な漫画について「世の中に変態ってやっぱりいるからね、気の毒な人でDNAが狂ってて。読んだり、描いたりにエクスタシーを感じるのは結構。子供にさらさないように処置しただけ」と述べた。
また、中年男性の少女愛を描いたナボコフの小説「ロリータ」(55年)を例に挙げ、「当時ショッキングだったけど、あの程度なら叙述の美しさもある」とし、少女強姦(ごうかん)などを描いた現代の漫画に対しては「何の役にも立たないし、害がある」と批判した。


<議論・意見>

東京都の不健全図書指定の数は2000年に136件だったのが 2009年には32件(月に1〜2冊!)と減っています。これは自主規制の成果ではないでしょうか。
ちなみに、都が新たに出版規制を設ける名分にしているのが アウトサイダー出版倫理協議会に加盟していない中小出版社)が不健全図書の51パーセントを占めており出倫協の自主規制が十分に機能していないということですが月に2〜3冊の51パーセントって〜……。

    • ここで私が一番言いたいのは、今回の条文が「警察権力と都知事の権力を大きく」し「子育ても一律に」「思想を統一」するのが目的に見えてしまう文章なのが問題だということです。
    • 世の親、とくにお母さんたちがお子さんを健全に育てたい、という気持ちはわかります。それを都、およびその裏にいる警察出向組、創価学会統一教会などの利権に群がった人々が、自らの利権のために利用している構図があります。
    • 実は今回の規制強化は、漫画ではなく、ネットのほうが主眼ではないかと思われます。プロバイダーにユーザー情報を問い合わせる権限を都や警察に与えています。今までみたいに裁判所の開示命令がなくとも見られるということで、濫用すればネットの秘匿性が全部なくなります。
    • 法律や条例についてなぜ過敏なのかというと、制定されてしまえば、運用する側は成立までのいきさつなど関係なく「条文の文言のみ」を見て運用する。法律や条令とはそういう性格のものだからです。かつて総理大臣自らが「前任者が何を言ったか知りませんが」と言った国ですよ、日本は。
    • また多くの人に伝えたいのは、反対の声を上げている作家、出版社の多くはエロを書いてませんし売ってません。販売流通の規制が、執筆の規制とイコールだと気づき、検閲の復活に対し反発しているのです。これは憲法違反である可能性がある、とね。
    • そもそも権力者にとって「表現の自由」は邪魔なんです。ほしいのは「意のままになるさらなる権力」と「褒め称える信者」だけ。公権力は個別の悪事を抑え込む力を有しているが、自らが悪事を働くよう暴走した時が怖い。先日の検事の証拠改ざん事件や、数々の冤罪事件をどう思われますか?
    • 公権力に善の判断をゆだね、自分たちの価値観・教育論を否定される。マニュアルだけの工場生産大量生産品のような育児方法の法制化に、お母さんたちは加担したいんですか?個性もなく、思想も奪われ、お国のために戦争に行くのが善だ、という子供にしたいんですか?私はいやです。


違う角度からの見方

    • 都の条例の怖さは表現規制とかいう表層的なものではなくて、”健全”の基準を都が決めつけて、その善き生き方を国民に強制するという全体主義的思想の方が問題。表現規制やマイノリテイの排除の思想はこの”善き生き方”の個人への強制の一面に過ぎない。
    • エロ漫画だから規制していいとか、暴力漫画だから規制していいとかじゃなくてさ。拡大解釈とかもどうでもいいから、自分が普段の生活で必要としているものに当てはめてみたらどうなのかな。禁酒法に近いイメージしかないよ。  http://bit.ly/cdet4V
    • シンプルに考えればいいんですよ。自分が好きなものを外から取り上げられることがどういうことなのか。それだけ考えればいいと思う。それをなんとも思わないのは、「それが貴方の好きなものではないからです」。

<参考>

男女より男男の方が不健全、と言う委員もいれば、購買層をわかってる委員もいたり、「男女だから、男男だから、で判断するんじゃなく」としっかり釘を刺してくれる委員もいてよかったです…。こんな感じで指定図書が決められ、あとから匿名で公開されて、今回の問題ある改正(もしも問題ある恣意的な運用での指定)でも反論や釈明の余地はないのでしょうか?


「表示図書」も本来、法規制されないために業界が自主規制してマークを付けたはずが、それが逆に法制度に組み込まれ、義務化されてしまいました。今回も都はその辺を知った上で「漫画は野放しだ」と公言してますから、色々と複雑なものが。
http://twitter.com/uedaeb26/status/24861360343




子どもにエロい漫画・アニメを見せたくない、もう少し規制してほしい、というお母さんたちの不安に応える解決策・姿勢も打ち出せるといいんですけど。流通と売り場の声があんまりないのも気になります。


今までの記事→ http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/archive?word=%2A%5B%A5%E1%A5%E2%5D