通りすがりのレイディ/新井素子 ★★★

再読。星へ行く船シリーズ2作目。太一郎のマンションの前で、あゆみは殺し屋に狙われているという美女と出会う。翌日出勤すると、その彼女が自分を探す依頼を水沢探偵事務所に持ち込んでいた。どうやら彼女は太一郎の昔の奥さんで、危険な組織に狙われているらしい。あゆみは彼女を助けようと動き出すが……というあらすじ。探偵として行方を捜したり推理したりする部分がちょっと無茶ではあるけど面白いです。お気楽に殺し屋たちと渡り合うどったんばったんが楽しいわりに裏にある事情とか陰謀とかはわりとシビア。主人公が恋敵であるレイディに逆に惚れちゃって助けたいと無茶をするのもたのしい。超人すぎて私はあんまりレイディに共感はしなかったんだけど。色々あって、最後、主人公が肘から先を失っちゃうのもちょっとヒックとドラゴンみたいだよね。義手をもらえるのでその後の活躍・存在意義に繋がってきてそこまで深刻じゃないんですが。最後の手紙で、レイディの旦那さん(占い師)が主人公の異常な運の良さに興味がある、って書いてあって、またちゃんと伏線張ってあったんだねー。レイディを好きになれるかどうかがこの本を楽しめるかのボーダーな気がする。