カレンダー・ガール/新井素子 ★★★☆

再読。星へ行く船シリーズ3作目。水沢所長と麻子さんが結婚式→新婚旅行に旅立ったのだが、セレスに向かう宇宙船の中で麻子さんが誘拐されてしまった?!とにかく助けに行こうとあとを追った太一郎とあゆみは、その宇宙船がスペースジャックされたことを知り、なんだかんだで犯人の一味に加わってしまう…。ガードナーのペリイ・メイスンシリーズから発想を得て登場するまりかという女の子を軸に、毛皮を取るために他惑星の動物を殺す人類の話まで。「絶句」もそうだったけど、素子さんのお話には他の生き物を殺さないと生きていけない・発展していけない「人類の業」みたいのをテーマにしてる作品が多くて、子どもの頃似たようなことで悩んだことがあった私には初読のとき考え方の助けになったのを覚えてます。書かれてることもすごく前向きなので子どもにもお勧め。古本屋さんで見かけたら読んでみてほしいです。
太一郎とあゆみのなかなか進展しないラブコメ具合とか、オチのつけ方もばっちりで、恥ずかしむず痒くも好きな一冊。