困ってるひと/大野更紗

一般書1冊目。ビルマ支援で上智大学の大学院生だった著者が自己免疫疾患系の難病「筋膜炎脂肪織炎症候群」を発症し、病名もわからないまま病院をたらい回しにされ、激痛を伴う検査を受け、ステロイド投薬治療で死にかけ、おしりの肉が流出し、退院を迫られて一人暮らしをするために社会福祉制度と格闘する、その一年余りをユーモラスに書いた連載が本になったもの。文章に慣れるまで出だしはちょっと読みにくそうだなーと思っていたのが、発症してからの出来事を書いていくくだりから面白くなって最後まで読めました。危篤状態になる6章で親の顔が朦朧と見えたときの独白はさすがにつらかった。痛そうな検査の描写と、あと頼っていたお医者さんの心無い一言を偶然聞いてしまうくだりとか、ショックが伝わってくる。在宅で通院しながら区の支援はいくらでどこまで受けられるものなのか、そのあたりももっと読みたかったな。誰でもある日こうなるかもしれなくて、それには理由なんかなくて、理不尽でこわいなーって思う。作者さんガッツあるよ…。



今年から、読んだもの見たものに番号をつけて数えてくことにしてみようかと。そうすれば年末に改めて数えなくていいしwなぜ今までやらなかったのかw