シスカンパニー/朗読「宮沢賢治が伝えること」

世田谷パブリックシアター堤真一鈴木京香段田安則バージョン夜公演と、蒼井優鶴瓶段田安則バージョン昼公演を鑑賞。

  • 堤・京香組はさすがの安定感。京香さんの感情の表わし方が少し薄いかなというくらいで、宮澤賢治に詳しくない私でも何とかついていけた。一番キャッチーな注文の多い料理店、昼公演は看板を読む声があんなに高くなかったらしい。「壷の中の塩」を「塩の中の壷」て言っちゃった京香さんがかわゆだった。
  • 蒼井・鶴瓶組は、慣れてないせいかとにかく早口だった。蒼井優ちゃんは声優もうまいので期待していたのだけれど、テンポを出すためか、口調が速いの。わざと少し枯れ目の声音で、うまくはあったのだけれど。料理店の看板を読む声はちょっとボカロみたいな機械的なイントネーションで演ってた。が、その他の地の部分との間がもう少しだけ欲しかった。昼(初演)と夜との差もあるのかなあ。鶴瓶さんはあの味はあれでありだと思っていたけれど、こと一作家の朗読という意味では無しだったかもしれない。滑舌、関西のイントネーション、他とのバランス、これは本人も辛かろう…。料理店の話、鶴瓶客と段田客が連れ合いだとはとても思えないもん。宮澤賢治の作風がわりと澄ましたおぼっちゃん(という私の中のイメージ)なので違っていた。一番嫌だったのは、「よだかの星」の語り部的な役回りなのに、最後よだかが星になるとこで涙ながら風に感情込めて読んじゃったところ。それはない!!語り部が先に泣いちゃだめだと思う。あんまり稽古しなかったのか、それともあれが落語的なところなのか?
  • 演目としては、銀河鉄道がなかったのが意外だった。その代わり?にあったお歌の、♪アンドロメダの雲は〜さかなのおくちのかたち〜♪て箇所がすごい好きだった。星めぐりの歌っていうんだねー。

赤い目玉のサソリ 広げた鷲の翼 青い目玉の子犬 光の蛇のとぐろ オリオンは高くうたい 露と霜とを落とす
アンドロメダの雲は 魚の口の形 大熊の足を北に 五つのばしたところ 小熊の額の上は 空のめぐりの目当て