憂鬱バタフライ、梟/水城せとな


http://info.setona.bitter.jp/?eid=556178
http://comics.shogakukan.co.jp/comic_shogakukan/csb/
「窮鼠はチーズの夢を見る(既読→http://d.hatena.ne.jp/noraneko244/20070316#1215000039)」の続編ふたつです。小学館の携帯サイトで配信されたのを見せてもらったんですが、衝撃の展開が…!結末に触れているので隠します。



恭一の流され侍ぶりは健在ながらもなんやかんやでうまくやっていた今ヶ瀬 × 恭一。今ヶ瀬が束の間の幸せに照れて赤くなったり笑ったり泣いたりしてて、かわゆいなーと思ってたんですね。敬語で意地悪で陰険で見た目が美形っていいよね(二次元限定)。で、かわゆいなあと思ってたらっ、途中でっ、恭一×今ヶ瀬に変わるんですよー。しかもそこに至るまでがけっこうあっさりと描写が進んでて、私思わず、「ちょ、いきなりリバになったんやけど!」と目の前にいたお友達に言ってしまいました(笑)。まあ今ヶ瀬が自分から跨るんですけどね…流され侍のことだからそれにもノッちゃうんですよね…。それに「窮鼠〜」でそれらしき前フリ(恭一が入れられる側なら自分から進んでやったわけじゃないと言い訳ができる)もあったので、さほど不自然じゃないし。話的にもどんどんどんどんシビアになっていって、もう読んでるほうはハラハラしっぱなしです。恭一は、そりゃ優柔不断だし、好かれたら拒まず、自分から「好き」になることがない(自覚できない)やっかいなダメ男だけど、でもとってもやさしいひと・まじめな男なんだよな、と納得しながら読むので余計に辛い。まあ、単に意気地がないともいいますが。このへんのきわどい人物造形がうまいなあと思うのです。くわえて美麗な絵で話し運びもうまいので引き込まれます。二人とも病んでるなあ、不幸体質だなあ、と厭な予感に怯えながら携帯のちっこい画面に釘付けになってたら、「梟」の最後でまた木っ端微塵に別れやがった…!しかも別れたあとに恭一が今ヶ瀬を好きだったって認めたくせに女を抱きやがった…!!!!もう「ばかかーーーーっ!」の嵐ですよ。携帯投げたいよ!(人様の携帯です) 見せてくれたお友達とともにしばらく「ありえん、ありえん、」と憤ってしまった。ほんとに今ヶ瀬がかわいそうなんだもん…。別れるシーンの車の中で、今ヶ瀬が「結局あなたは自分に自信がないんですよ。最後に俺がいいところを教えてあげます」つって、流されダメ男(酷い言いよう…)恭一のいいとこをいっぱいいーっぱい挙げ始めるんですよ…泣けるよ…。一応、この「梟」のあとにもうちょっとだけ続きがあるって作者さんは言われてるらしいんですけど、ぜひそれも描いて、単行本にまとめてほしい。このままじゃ浮かばれない…。でも続編でも、今ヶ瀬と恭一はひっつかない気もするんだよなあ。でも読みたい…。そういえばタイトルの意味、「バタフライ」の方は出てきてたけど(恭一は網を張って待ってるだけの蜘蛛で、女の子は蝶、今ヶ瀬が「僕はそこに一時引っかかっただけの蛾なんです。あなたはいつかきれいな蝶が網にかかったら、僕の目の前でその蝶を食べるんでしょう。僕はそれを見てなくちゃいけない」みたいなことを言う)、「梟」は出てきたっけ?どきどきしすぎて読み逃した?フクロウの連想としては「目が前に平面」「夜行性」「夜でも見える」「木に直立」「絶滅危惧種」くらいだけど、このへんとの隠喩なのかな。
窮鼠はチーズの夢を見る (ジュディーコミックス)